家でもできる練習(配置編)

 久しぶりに「家でもできる練習」を更新します。今回は「配置」についてです。

みなさんは定位置をどのように決めましたか? 初めは誰かに決めてもらい、その後アレンジした人が多いのではないでしょうか。試合がなく時間がある今、もう一度考えてみるチャンスではないかと思います。

私は小学校1年生から競技を始めましたが、定位置というものを教わったり考えたことがありませんでした。とても恥ずかしいのですが当時の写真を公開します。手前左が私なのですが、なんと自陣が右、真ん中、左と3つのブロックに分かれているという衝撃的な並べ方をしています。

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※これは競技を始めて1年弱、近江神宮に初めて行った大会(おそらく高松宮杯)で、小学校低学年の部(4年生以下)に出場した時のもので準決勝の様子です。32名が出場して私の兄(写真奥)が優勝、私はこの試合で1枚差で敗れて3位という結果でした。

なぜこのような変な並べ方にしたのか当時の自分に聞いてみたいくらいですが、短い札を固めてひたすら守っていたような記憶があります。その際に自陣が3つに分かれていた方が相手の攻めが分散され、札に近い自分の方が有利と考えたのではないかと思います。札については写真では確認できませんが、決まったところに置くというよりは、一字札は下段の近い場所に置くとかそのレベルで決めていて、右、真ん中、左のバランスを意識していたように思います。

なぜ定位置を決めるのか。決めずに毎試合違う配置にすると暗記をするのが大変ですし、同じところに置くことで、その音が読まれたらその位置に反応するという反復練習をすることで速く取ることができます。他にも理由はあるのでしょうが、決めることのデメリットとしては、札によって左右のバランスが極端に悪くなることがあり、相手が攻めやすい状況をつくってしまう(同時に自分も自陣を意識せざるをえない状況になる)ことになります。また配置を変えることに慣れていないために、特に中盤から終盤にかけて配置を変えるという作戦をうまく使えないことになります。

だったらガチガチに定位置を決めずに柔軟な配置にすれば良い、というのが私の考えです。どこに並べても取れる状態にしておくこと、そういった暗記をすることが大切だと思います。

例えば運命戦になった時、右利きの方であればほとんどの人が最後の1枚を右下段に置くと思います。定位置が左上段だからといってそのまま置いておく人はいないでしょうし、右下段に変えたのに間違って定位置の左上段に手を伸ばす人はいないでしょう。運命戦は極端ですが、必ず変えなければならない、変えたら有利に進めることができる局面は訪れます。どんなに相手陣を取って札を送り続けて自陣の陣形をつくろうとしても限界があります。そういった時にその場で変えようとしてもうまくいくはずはありません。日頃から変える練習をしておくべきではないでしょうか。

 さて、私は続ける中で試行錯誤をしながらなんとなく定位置というものができあがっていきました。今回ランダムに25枚をとって10試合分並べてみたのが下の写真です。(相手陣の配置は無視して並べています)

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私の理想の陣形は、左右のバランス、上中下段のバランスがとれていることです。写真は全て左右12-13枚ずつになっていますが偶然ではありません。どこかに固めたりせず、競技エリア全てを使って勝負します。その上で、決まり字に応じて、

・一字決まり 下段内側

・二字決まり(うつしもゆ) 下段

・その他二字決まり 中下段

・三字決まり 上段

・四字決まり以上 中下段(入らない時は上段も)外側

だいたいこんな感じで並べています。

・一字決まり、二字決まりは自分の近いところに置いておけば、相手に攻められて反応が遅れたとしても取れる可能性が高いだろう。

・三字決まりは別れ札が多いので、相手陣にも向かっていける上段の方が両方取りやすいだろう。

・四字決まり以上は意識しない札、取られてもいい札で、囲われないように外側に置いて後から行っても下から入れたらラッキー、そのかわり他の短い札を暗記しよう。

と考えてこのような配置にしています。

試合が進んで枚数が少なくなっても左右のバランスは大事にしているので、左右の移動を行います。また決まり字の変化に応じて、相手から遠く、自分に近くなるように上段は中段へ、中段は下段へ下げていきます。変えるタイミングも作戦として非常に大切だと思っていますから相手、試合展開をみて考えています。

定位置として基本はありますが、必ずここじゃないとダメだ!と決めている札はそれほど多くありません。左右のどちらに置いても大丈夫な札をどうやって作っていくのか、それは練習や試合を重ねて、定位置以外の場所でも速くうまく取れた時のイメージを蓄積していくことです。そして暗記の時に、その蓄積したイメージを呼び起こして暗記をすることです。

定位置や構えなど、一度決めて慣れてしまったスタイルを変えることは非常に勇気のいることです。特にある程度実力のある選手、勝っている選手ほど難しいことでしょう。配置を自在に操れることができれば有利と分かっているのに、実践して速くうまく取る選手は不思議なほどいません。もともと暗記をして取る競技ですからできるはずです。時間がある今だからこそチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ぜひ型にはまらない、自分なりのかるたを目指して欲しいと思います。

最後に配置に基づいた暗記と意識をどのようにしているのか。相手陣も合わせたウエイトはざっくり、一字決まりが5%、二字決まりが80%、三字決まり(別れ札)が10%、単独の三字決まりが4%、四字決まり以上が1%といった感じです。もちろん相手、相手の配置、試合展開によって柔軟にやっています。全ての札を完璧に取ることは不可能ですから、優先順位をつけて、その中でも二字決まりの札が勝負だと思っています。その辺のことについてはまた次回以降で触れたいと思います。