小さい頃に始めると有利なのか?

私は小学一年生から始めましたが、確かに最近の名人・クイーンは小学生から始めた選手ばかり。それが有利に働いている可能性はありそうです。そのひとつは基礎力が高いからではないかと考えます。

 

高校や大学で競技を始める方が多いと思いますが、みなさん本当に短期間で強くなりますよね。それは小学生にはなかなか難しいことなのになぜ実現できるのか。

  1. 体が(かなり)できあがっている。
  2. 情報を得ながら自分で考えることができる。
  3. A級になることはもちろん、高校選手権・大学選手権・職域など明確な目標がある。
  4. 一緒にがんばれる仲間がいる。
  5. 周りにライバルがいる。

他にもあるのでしょうが、「情報を得ながら自分で考えることができる」これがひとつのポイントではないかと思います。小学生が決して考えることができない、と言っているのではなく、受験や卒業というタイムリミットもあるため、手っ取り早く強くなることを考え、そのためのノウハウを取り入れたり教え込まれたり。これにより基礎が十分に身につかないままある程度強くなっている人が多いように思います。

その基礎力とは「暗記をしっかりして全ての札へ反応し、速くそして正確に取ること」です。

手っ取り早く強くなるための方法の代表例は、「(他人による)定位置設定」と「(自陣を捨てるくらいの)相手陣攻め」だと思っています。確かに定位置を決めれば暗記は楽になるかもしれませんが、相手も札も試合展開も毎回違う中で、定位置以外に置くと取れないようでは柔軟性に欠けます。相手陣攻めについては、同じように相手陣を攻める相手がほとんどなので、がら空きの相手陣は取れて当たり前という状況で試合をすることになり、自陣の意識が薄れることと、相手陣への攻めも本当に通用する速さが身についていない可能性が考えられます。

 

小学生から始めた選手は、(人にもよりますが)払い練はもちろん、全ての札を全力で暗記して取りに行くことからスタートしているため基礎がしっかりしています。そして成長の過程で定位置を工夫し、狙ったり送り札を考えたり、そうやって力を積み重ねているため、安定した強さがあるのではないかと思います。

もう一つあげるとすれば継続力。同じように小さい頃に始めた人でもやめてしまった人は大勢います。長く続ければ経験値は上がりますが、それ以上に苦しい思いもたくさんしてきたはずです。単に小さい頃からやってきたから、という理由では片づけられない強さがあるのだと思います。

ある方が言っていましたが、「何度も挑戦して負けて心が折れそうになったけど、諦めずにがんばってタイトルとれて本当に良かった」と。高校や大学、また社会人になってから始めた方でも基礎を大切に継続していれば、きっと自分の目標には到達できるのが競技かるただと思います。

練習や大会ができない状況が続いていますが、基礎力を高める個人練習に取り組むチャンスと考え、再開した際には力を発揮して欲しいと思います。

 

ちなみに私は小さい頃に始めてよかったと思います。そうでなければ競技かるたに興味を持つことは多分なかったと思うので。あと、小さい頃からたくさん良い経験をさせていただいたので、これからいろいろ還元していきたいと思っています。

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