静岡の強さを支える人たち②

私は静岡県出身ではありませんが、過去の対戦や先輩後輩を含めて静岡の方とは非常に縁があるなと感じています。前回に続いて「静岡の強さを支える人たち」として、高校の教員をされている一人の先生について記載します。(ここでは仮にtommy先生とします)

tommy先生には大学時代に出会ってからお世話になっています。先輩が慕っていたというかなんというか、教師らしからぬ言動で非常に親しみのある先生だからだと思います。高校生の練習相手になってくれと頼まれて、静岡まで早稲田のメンバーと行くこともありました。そしてお酒も一緒に飲みました。時には飲まれてしまって大変なことに。まさか下宿に収容することになるとは。試合で対戦したこともあります。ほぼ不戦勝みたいな感じではありましたが。

実は妻の恩師ということもあって、結婚式のスピーチをしていただいたことも良き思い出です。ゾウさんのパンツをプレゼントしてくれたユーモアたっぷりの先生です。私の高校には部活がなかったので、もしtommy先生のような人に出会っていたら人生は変わっていたかもしれない、そう思えるくらい魅力的な先生です。

このtommy先生、実は高校選手権を何度も優勝に導いた一流の指導者です。その先生が当時強かった理由をこのように述べています。

負けた悔しさは絶対に忘れない

勝たなければ意味がない

日本一になって当たり前

あの頃の私たちのモチベーションは自然とこうなっていた

だから、強かったのだと思う

 今、青春全部懸けるくらい本気でかるたを取っている人はどのくらいいるのでしょうか。泣いていいほど懸けていない、という人も多いのではないでしょうか。あの日悔しくて良かったって、いつか笑って言いたい。そんな気持ちがなければ強くなるまで相当の時間がかかることでしょう。また、日本一になって当たり前という状況においては、優勝旗に、トロフィーに恥じない戦いを絶対にするんだ、こういった気持ちがなければ本当の強さは身につかないと思います。一部ちはやふるからの言葉を引用しましたが、どんなに素晴らしい指導者がいても、選手本人がこういった気持ちを持たなければ変われません。

静岡の先生方は生徒を本気にさせるお手伝いがうまいのかなと思います。tommy先生もあと数年で定年を迎えられます。今でも一緒に飲み、たまに良いことも言ってくれるので、先生の想いもしっかりと吸収して受け継ぎたいなと勝手に思っています。