原田先生の解説

ちはやふる小倉山杯が開催され、YouTubeで観戦しました。私の注目のひとつは、原田先生のモデルとなった前田さんの解説でした。私のかるたと全然違う、私だったら〜とご自身が取っているかのような熱い解説でとても面白く、一方で懐かしく感じました。

私は1997年に名人戦の予選に初出場し、前田さんと初めて対戦させていただきました。その時の衝撃は今も覚えています。翌年の予選では決勝を取らせていただき、そして2006年の名人戦でも対戦しました。魂のこもったかるたは、私の力を引き出してくれました。

今回の解説でも何度か「師匠」という言葉が出てきました。前田さんの師匠は1968、1969年に名人位に就かれた白妙会の田口忠夫さんです。

そして偶然にも、田口さんは私の師匠でもあります。もちろん時期は異なりますが、田口さんとの出会いがなければ今の私はありません。ですから、解説をされる前田さんの想いと言葉に、感じるものがありました。

同じ田口さんを師匠にもつのに、前田さんと私の取りは全然違うじゃないか!と思われるかもしれません。しかしながら基本は同じです。このあたりのことは機会を改めて書きたいと思います。

さて、試合は山下恵令さんが優勝しました。本当におめでとうございます。実は彼女もまた田口忠夫さんを師と仰ぐひとりなのです。もし田口さんが試合を見ていたら、間違いなく終盤のバタバタした取り方にダメ出しが入ったはずです。全然成長してねぇな。その光景が目に浮かびます。

恵令さんはまだまだ成長できる選手です。田口さんや前田さんの代わりにはなれませんが、期待を込めて、今度私からダメ出しをしたいと思います。ビールを飲みながら。

原田先生こと前田さん、すばらしい解説をありがとうございました。田口忠夫さんの教え、前田さんの想いを私も引き継いでいけるよう活動してまいります。